おもしろい本

読書案内サイト「こども図書館ドットコム」の別館ブログです。 サイトで紹介している本のネタバレコメントを受け付けます。絵本・ファンタジー・ミステリーなどが中心。

『ハリー・ポッター 現代の聖書』

7月に読んだハリー・ポッターシリーズの最終巻の興奮が冷めやらぬとある朝に、新聞の広告でこの『ハリー・ポッター現代の聖書』という本のことを知りました。

ハリー・ポッター 現代の聖書ハリー・ポッター 現代の聖書
(2008/07/18)
島田 裕巳

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最近はアマゾンのマーケットプレイスの利用で、古本であれば、ハードカバーも買いやすくはなりましたが、普段なら、文庫本を買うのさえ、おさいふと相談して熟慮の上でなければ買わない私です。

でも、どうやらハリー・ポッターシリーズについて、宗教的な視点からの著書らしかったので、思い切って買ってみました。著者の島田裕巳(ひろみ)さんという方は、宗教学者だそうです。

一読してみたところ、ハリー・ポッターシリーズについては、私と同じような感想を持っているところがありました。

たとえば、このシリーズの構想に費やした5年間という時間について、『いくら構想に5年の歳月をかけたからといって、よくこれだけの物語が出来上がったものだ』というところや、魔法や魔法使いを扱っていて、一見、キリスト教の影響が少ないように思われながら、『決定的な部分では聖書的な背景が重要になる』という辺り。

私は、最終巻の『ハリー・ポッターと死の秘宝』の一番のクライマックス辺りで、新約聖書の言葉(だと思われるもの)が頭に浮かんだのですが、手元に聖書がなくて確認できず、ネットで検索しても見つけられなかったので、サイトの最終巻の説明ページにキリスト教に関連付けての感想は書きませんでした。

でも、それまでのネットでの検索やニュースで、このシリーズを目の仇にしている、一部のキリスト教関係者や信者がいることを知っています。

「魔法」をベースにした味付けをしてはいても、やはり作者はキリスト教国のイギリス人ですから、その思想が色濃く出ていると私は思っていたし、宗教学者の方が、シリーズのいろいろな箇所を取り上げて、そのことを指摘しているので、その点に関しては、「わが意を得たり」と思いました。

だから、「魔法」という言葉から受けるイメージで読まず嫌いや攻撃をするのではなく、まず、読んでみて欲しいものだと思いました。

その他、シリーズの愛読者には、興味深い考察が続きます。

乳児の頃に両親を失ったハリーと、生まれてすぐに母親が死んだヴォルデモートは、そのことについては、自らの記憶にないという点でさほどの違いはないし、その後の生育状況も、親戚に冷遇されて育ったハリーと、孤児院で育ったヴォルデモートは、これまた、大きな違いはないと思われます。

生まれ、育ちに大きな違いはないのに、その後の精神のあり方の180度の違いについての著者の考察は興味深く、おおむね私も賛成ですが、同じような境遇でありながら進む道が違ってしまうのは、やはり本人の持って生まれた資質も大きいのではないかと、私は思っています。

同じ両親から生まれても、ひとりひとり、兄弟の性格は異なります。同じ体験をしても、人によって反応は千差万別です。それはもう自明のこととして、私は全く疑問に感じていませんでしたから、宗教学者の方が、その自明なことに疑問を持って考察をされていること自体が新鮮でした。

また、この本は、シリーズ最終巻の発売後に出版されたので、もう少し、結末についての考察もされているのかと思いましたが、それは省かれていました。やはり、これからシリーズを読む方に配慮したのかも知れません。

ちょっと物足りないところもありますが、ハリー・ポッターシリーズのファンには興味深く読めると思います。ハリーは、著者の述べるように、現代のイエス・キリストだと思うかも知れないし、私と同じように、自分の宗教観や、自分の価値観を再確認できるかも知れません。

ハリー・ポッター 現代の聖書ハリー・ポッター 現代の聖書
(2008/07/18)
島田 裕巳

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私のサイト「こども図書館ドットコム」の『ハリー・ポッターと死の秘宝』の説明ページもどうぞご覧下さい。

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ハリー・ポッターと死の秘宝

7月23日に、ついに発売された日本語版のハリー・ポッターシリーズの7冊目『ハリー・ポッターと死の秘宝』。

やっと、感動を言葉にして、説明ページをアップしました。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
(2008/07/23)
J. K. ローリング

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本当に、すごい最終巻で、特に下巻のストーリーは、息をもつかせぬような展開です。

私のサイト「こども図書館ドットコム」の方は、ネタバレはしないのが前提で、ストーリーを紹介しても冒頭部分か中ほどまでと決めているので、感動を伝えるのがなかなか大変です。

でも、このブログのコメントは、ネタバレOKということにしているので、続きは、コメントで書きます。

未読の方は、コメントは読まないで、『ハリー・ポッターと死の秘宝』を読了してからどうぞ。


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「大草原の小さな家」シリーズの参考本『開拓時代の生活図鑑』

先日、やっとのことで更新した本サイトのページは、ローラ・インガルス・ワイルダーの「大草原の小さな家」シリーズ関連のもの。

シリーズ全体と作者についてのページと、シリーズの1冊目の『大きな森の小さな家』についてでした。

この本サイトのページでも触れましたが、このローラの子どもの頃の生活を描いた物語の生活の実際を、もっと知りたいと思う方にお勧めなのが、『開拓時代の生活図鑑』です。

開拓時代の生活図鑑開拓時代の生活図鑑
(1998/03)
バーバラ グリーンウッドヘザー コリンズ

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ローラが生まれた頃よりも、約40年ほど前のカナダの開拓一家の生活を描いた、という設定の本です。ロバートソンという一家の生活を、とても味のある鉛筆画でていねいに描いています。

ローラが持っていたともろこし人形の絵もあるし、『大きな森の小さな家』で登場したメープルシロップの採取方法も詳しく載せられています。

「大草原の小さな家」シリーズは、ローラの筆力もあって、開拓生活が目に浮かぶような物語ですが、日本の年号でいえば、明治時代初期の頃の物語なので、私たち日本人には馴染みのないり、想像しにくい物も、やはりあります。

自分にはわからない物を、想像しながら読むのも読書の楽しみのひとつだけれど、「これは実際どういう形をしているのかな?」とちょっともどかしい思いもしていたので、この本を見つけたときは、とても嬉しかったものです。

先にあげたメープルシロップの採取の道具も、私が読んだ講談社の青い鳥文庫の『大きな森の小さな家』のさし絵では、詳しくは描いてありませんでした。

だから『開拓時代の生活図鑑』で詳しく図解されているのを見て、「なるほど、こうなっていたのか」と興味しんしんでした。

ちなみに、青い鳥文庫の『大きな森の小さな家』の後で読んだ福音館書店の『大きな森の小さな家』のさし絵では、メープルシロップの採取に使う、木のといの絵が出ていました。

本サイトの本文にも書いたのですが、福音館書店のこのシリーズは、ガース・ウィリアムズのさし絵が、土の香りがするような印象で、とてもすてきです。

ただ、訳文が、私としてはテンポの良い「〜だ」とはっきり言い切る形の青い鳥文庫のシリーズの方が好きで、サイトでもこちらをお勧めしました。

青い鳥文庫のかみやしんさんのさし絵は、繊細で品が良く、ガース・ウィリアムズとはまた違う味があります。私はかみやさんのさし絵も好きです。

                 

ちょっと話がずれました。
今日の記事は『開拓時代の生活図鑑』についてです。

ローラの開拓生活に出てこないものにも、興味深いものがあって、現代でも参考になったりします。
たとえば、はちみつについて。

はちみつには、抗生物質のような働きがあるそうで、のどが痛いときに、大さじ1杯ぐらいのはちみつを少しずつ摂るといいそうです。

この春に私はバイトで忙しくしていましたが、のどが痛むときには、はちみつをなめていたおかげか、悪化せずに乗り切れました。

この本を読んだおかげで、ちょっと助かった気がしています。

洋の東西を問わず、昔からの知恵に、私は興味があります。

開拓時代の生活図鑑開拓時代の生活図鑑
(1998/03)
バーバラ グリーンウッドヘザー コリンズ

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