おもしろい本

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ドイル傑作集1 まだらの紐(王冠のダイヤモンド・まだらの紐・競技場バザー・ワトスンの推理法就業

今日も前回に引き続き、創元推理文庫のドイルの短編集『ドイル傑作集1 まだらの紐』の収録作品について。

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前回、前々回と『消えた臨時列車』『時計だらけの男』『田園の恐怖』『ジェレミー伯父の家』を紹介しました。

今日は残りの収録作品についてです。

                 

冒頭の2作は、なんと戯曲です。

『王冠のダイヤモンド ーシャーロック・ホームズとの一夜』と『まだらの紐 −シャーロック・ホームズの冒険』。

『まだらの紐 −シャーロック・ホームズの冒険』の方はまあいいとして、『王冠のダイヤモンド』の方のサブタイトル「シャーロック・ホームズとの一夜」って、これはいかがなものでしょう?

なんだか艶っぽい話のように誤解されそうです。

この『王冠のダイヤモンド』というのは、『シャーロック・ホームズの事件簿』に収録されている『マザリンの宝石』の戯曲化、というか、戯曲が先で、後で小説として書き上げたものだそうです。

これは、私のサイトで紹介している偕成社の『シャーロック・ホームズの事件簿(上)』の作品解説に述べられています。

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で、その偕成社版の作品解説の中でのタイトルは、『王冠ダイヤ ーシャーロック・ホームズと過ごす夕べ』。

これについては、私はサイトのページで「ディナーショー」を連想させると書きましたけど、「・・・過ごす夕べ」の方が、「・・・一夜」よりは良いと思います。

                 

それはともかく、この戯曲『王冠のダイヤモンド ーシャーロック・ホームズとの一夜』で登場するのは、セバスチャン・モラン大佐。『シャーロック・ホームズの帰還(or復活)』の『空家の怪事件』で登場する名前です。

『シャーロック・ホームズの事件簿』の『マザリンの宝石』で登場するのは、シルビアス伯爵やサム・マートンなので、ちょっと違和感があります。

『まだらの紐 −シャーロック・ホームズの冒険』の方でも、ハドソン夫人とホームズとワトソンを朝早く、まとめてたたき起こした依頼人「ヘレン・ストーナー」が、「イーニッド・ストナー」と変更されています。

戯曲じゃない、小説の方を読みなれていると変な感じがしますが、この戯曲『まだらの紐』のページには、当時の舞台写真が掲載されています。

これは貴重ですね。「そうか、こういう風に上演されていたのか」とわかるので、ホームズファンには嬉しい写真です。結構たくさん掲載されているので、楽しいですよ。ざっと数えただけでも、30枚ぐらいはありそうです。

『まだらの紐 −シャーロック・ホームズの冒険』の方は、小説が先で、戯曲が後だそうです。

どちらにしろ、ドイルの書いた戯曲なんて読んだことがなかったので、これは貴重な収録作品だと思いました。

                 

その後の『競技場(フィールド)バザー』と『ワトスンの推理法修行』は、ドイル自身によるパロディーです。

両作品ともとても短く、『競技場(フィールド)バザー』は4ページと数行。『ワトスンの推理法修行』に至っては2ページ半。登場人物もホームズとワトスンのみですが、読み終わったときにファンならクスッと笑うことでしょう。

ここまで自分の作品をパロディー化するのは、やはりドイルが「ホームズ物」を好きでなかったからだろうと、この文庫本(『ドイル傑作集1 まだらの紐』)の解説で述べられています。

でも、私はドイルに茶目っ気があったからだろうと解釈しています。(その方が楽しい。)

                 

「シャーロック・ホームズ全集」と作者についてのページもどうぞ、ご覧ください。

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ドイル傑作集1 まだらの紐(『ジェレミー伯父の家・田園の恐怖

今日もまたまた脱線して、創元推理文庫のドイルの短編集を紹介します。

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新潮文庫のドイルの短編集で満足していた私ですが、この創元推理文庫の『ドイル傑作集1』に『ジェレミー伯父の家』という作品が収録されているのを見て、なぜかとても読みたくなって、買いました。

なぜ読みたくなったのかは自分でも「?」ですが、もしかして「ジェレミー」という名前に、グラナダTVの「シャーロック・ホームズの冒険」を連想したのかも知れません。

何と言っても、ホームズ役が「ジェレミー・ブレット」ですからね。

                 

で、期待を持って読み進んだ『ジェレミー伯父の家』。
期待通りというか、期待以上というか、きっとドイルの時代だから書けた作品でしょうね。

今なら、アジアの某国に対するイメージダウンになってしまうでしょうからとても書けないような気がします。いや、ヨーロッパの人たちは言論の自由を大切にするそうだから、書けるのかな???。よくわかりません。

                 

このジェレミー伯父というのは、主人公の伯父さんではなく、主人公の友だちの伯父さんです。その友だちの名前は、「ジョン・H・サーストン」。ワトスンorワトソンの前身でしょうか。

でも、主人公の方が医学生です。(名前はヒュー・ローレンス。)そして友だちのジョンの方が、科学実験にのめりこんでいます。

ホームズファンには、楽しいけれどややこしい設定です。

そしてもちろん事件が起こりますが、犯人や動機がわかると、「う〜ん・・・」と唸ってしまいます。「なんだか凄い」としか言いようがなくて、先に述べたように、「いいんだろうか、こういう設定で・・・。」

この作品は、1887年(明治20年)に『ボーイズ・オウン・ペイパー』の1月8日号から2月19日号に、連載されたそうです。

ちなみに、ホームズものの最初の作品『緋色の研究』は、同年の1887年の11月に発表されたということなので、『ジェレミー伯父の家』の方が先に書かれたことになります。

この『ボーイズ・オウン・ペイパー』という名はこの文庫本の後書きで初めて見ました。ネットで調べてみたら、ヴィクトリア朝に発行された少年向けの雑誌らしいです。

少年向けということなら、なおさら「いいんだろうか・・・」。なにしろヴィクトリア朝のことですから、現在のネット情報についての懸念とはまったく違いますが、私としては、「某国に対する誤まったイメージが植えつけられるのでは?」と心配になります。

飛び切り印象に残る短編であることは確かです。

                 

『ジェレミー伯父の家』のほかには、『田園の恐怖』がなかなかおもしろい作品でした。ミステリーを読みなれた人には犯人がわかるかも知れません。

舞台が素朴な田舎ということで、静かな村で事件が起きて大騒ぎになりますが、この事件の経過を述べるドイルの文章がやっぱり上手いし、ドラマにしたら面白そうなストーリーです。

その他の収録作品については、後日。

                 

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