おもしろい本

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『日本型うつ病社会の構造』

前々から読みたかった、加藤諦三さんの本、『日本型うつ病社会の構造』。
心理学者から見た日本の経済についての本ということで、興味がありました。


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私は大学で経済学を勉強したことはないので、学問的な「経済学」には触れたことがないけれど、新聞やいろいろな本を読んでいれば、どうしても日本や世界の経済にその輪郭辺りでも触れることになります。

古本屋で、比較的わかりやすそうな経済学の本を買って読んでみたこともあるけど、いまいち。

経済の理論と自分の生活や、自分の周りの人たちの生活者としての実感とがどういう関係なのかよくわからず、理論や、国のトップの言うこととの乖離というか、「なんか変だな〜」という素朴な疑問があって。

私は加藤諦三さんの本を、この20年ぐらいの間に、40〜50冊ほどは読んでいて、その具体的で冷静な心理学の分析にずいぶん救われてきました。

その加藤さんの、日本とアメリカで生活しての実感と、報道などからの情報との差を含めての率直な経済を含めた社会全般についての分析・提言ということで、とても期待して読みました。

読んだ感想は、「本当にその通りだな〜」というものでした。

今は景気が悪いから、だから日本人には幸福感が少なく、うつ病や引きこもりになる人が多い、と思っている人にはぜひ読んで欲しいし、もっと言えば、国のトップや政治家、官僚たちに読んでもらいたいと思いました。

景気うんぬんよりも、昔の高度経済成長に湧いていた頃からすでに大学生の間には、現在の精神的に問題がある状況の走りが現れていたということが、データではっきり挙げられています。

国民全体で血道をあげて、人間性を犠牲にして「金優先」、上昇志向を追及してきた結果が現在の状況なのだと、納得せずにはいられない本でした。

アマゾンの書評でも、五つ星が多い本ですが、当たり前だと思いました。

せめて、政治に携わる人たちが、少しでもこの上昇志向、というか 日本人の国民性に合わない絵に描いた餅を国民に押し付けることを止めてくれたらなあと思わずにいられません。

ほんとに、出るくいを打つような、回りに従順な人間を作る、冒険を否定するような教育をしていて、急に、預貯金を投資に回せだの、事業を起こせだのと言い出しても、もともと、そういうことに向いてない人は金も出さないし、冒険はリスクが大きすぎるでしょう。

だいたい、冒険心のある人は言われなくたって、とっくにどんどん冒険しているでしょう。

「冒険」は確かに良いことかも知れないけれど、それに向いてる人、向いてない人がいるだろうし、本当に日本人の気質や心理を無視して、理論だけを押し付けようとするほうが間違ってます。

そんなことを考えていたら、今朝のニュースでまた、「日本人の預貯金を投資に回せば、ウン%の成長率が期待できる・・・」などと聞こえてきました。だから、それは「絵に描いた餅」なんだって、この本を読むとつくづく思います。

必要なのは、上昇志向でなくて、ペースダウンして、楽しく暮らすにはどうしたら良いか、ということをひとりひとりが考えることなんじゃないだろうか、と私は思いました。

目からうろこが落ちる本として、現在の日本の現状を憂うている人に、お勧めします。


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