おもしろい本

読書案内サイト「こども図書館ドットコム」の別館ブログです。 サイトで紹介している本のネタバレコメントを受け付けます。絵本・ファンタジー・ミステリーなどが中心。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

タイトル考

先日、「名探偵ポアロ」シリーズの『ホロー荘の殺人』について書きました。

その記事で、舞台を日本に移して映画化されたものについても述べましたが、その映画のタイトルは『危険な女たち』。

内容はともかくとして、原作が好きな私としては、このタイトルは、ちょっとニュアンスが違う・・・と思い、違和感を覚えました。

ただ、原作のタイトルが味も素っ気もない“THE HOLLOW”。これは、家の名前です。だから、日本語のタイトルが『ホロー荘の殺人』(ハヤカワ・ミステリ文庫のタイトルです。)となるのは、まあ当たり前ですね。

これをただの「ホロー」としたら、アガサ・クリスティを知らない人なら「ホラー」と間違えそうです。

でも、映画のタイトルはもうちょっと、原作の雰囲気を残したものを付けて欲しかった、とファンの立場としては思います。

                 

タイトルで言えば、もっとがっかりしたのは、『鏡は横にひび割れて』を原作とした映画です。

鏡は横にひび割れて (クリスティ文庫) 鏡は横にひび割れて (クリスティ文庫)
アガサ・クリスティー (2004/07/15)
早川書房
この商品の詳細を見る


なんと映画のタイトルは「クリスタル殺人事件」。

これはミス・マープルが探偵役の物語ですが、『鏡は横にひび割れて』というのは、テニスンの詩からとった、まことに文学的なタイトルなんです。

この「テニスン」というのは、イギリスの詩人。日本ではあまりなじみが無いと思いますが、『赤毛のアン』にも登場していて、英語圏の国ではよく知られていたようです。(現在はどうかわかりません。なにしろ19世紀の人だし。)

赤毛のアン 赤毛のアン
モンゴメリ、村岡 花子 他 (1954/07)
新潮社
この商品の詳細を見る


『赤毛のアン』では、アンがテニスンの詩に出てくるという、エレーン姫を真似てお芝居をするシーンがあります。アンは小舟に乗って流されて、舟の底にひびが入ってとんでもない目に遭う・・・という顛末になっています。

子どもの頃に『赤毛のアン』を読んで印象に残っていたので、この『鏡は横にひび割れて』を読んだときには、「ああ、あのテニスンの詩か」とすぐ思ったものです。

『鏡は横にひび割れて』に出てくるテニスンの詩のタイトルは、「レイディ・オブ・シャロット」というのだそうです。この詩の言葉が、ミス・マープルの住んでいる町で起きた殺人事件の謎を解く鍵・・・というか、とにかく重要なモチーフになっています。

                 

この『鏡は横にひび割れて』も、私のお気に入りですが、そのお気に入りを原作として、エリザベス・テイラーが出演して重要な女優の役を演じた、その映画のタイトルが『クリスタル殺人事件』。

ほんとにがっくりきました。なんで「クリスタル」?
どうしてもカタカナにしたいのなら、鏡は「ミラー」でしょう・・・。

その映画の(英語の)タイトルは、アマゾンの画像で見る限り、“MIRROR CRACK’D”。

クリスタル殺人事件 クリスタル殺人事件
アンジェラ・ランズベリー、ジェラルディン・チャップリン 他 (2004/11/25)
ジェネオン エンタテインメント
この商品の詳細を見る


原作の英語のタイトルは“THE MIRROR CRACK’D FROM SIDE TO SIDE”で、「クリスタル」なんて言葉はどこにもないのに。

文学的な香りのするタイトルが、急に安っぽく感じられました。原作を知らない人なら、何も感じないでしょうけれど。

上のアマゾンの画像の写真、文学の香りはまったくしないし、まるでただの恐怖映画のよう。クリスティファンとしては、無念です・・・。

調べてみたら、映画化されたのは、1980年でした。この映画のエリザベス・テイラーは、若いとはいえない年のはずでしたが、とてもきれいで印象に残っています。

                 


クリスティの作品の紹介ページはまだないのですが、本サイトもよろしく。

ランキングに参加しています。できたらクリックお願いします。
FC2ブログランキン<br />グ にほんブログ村 本ブログへ blog-banner1.gif 
ブログ検索 ブログケンサクエンジン





スポンサーサイト

PageTop

ポアロ、総合テレビから追放される

私はいつも、「シャーロック・ホームズの冒険」シリーズと「名探偵ポアロ」シリーズのビデオを、交互に見ています。

いずれも、NHKの総合テレビで放送されたときに録画したものです。

そのときの気分で、「ホームズ」ばかり見続け、でもある日急に「ポアロ」が見たくなり、そして「ポアロ」ばかり見ているとまた「ホームズ」が見たくなる、というh風にエンドレスで繰り返しています。

で、今の気分は「ポアロ」。

名探偵ポワロ 完全版 DVD-BOX 1 名探偵ポワロ 完全版 DVD-BOX 1
デビッド・スーシェ、ヒュー・フレイザー 他 (2005/08/26)
ハピネット・ピクチャーズ
この商品の詳細を見る


どちらのドラマも私の好みだし、何回見ても楽しいんだけれど、たまに「新作」が見たくなります。

「ホームズ」の方は、主演のジェレミー・ブレットが亡くなったので仕方ないとして、「ポワロ」の方は、本国イギリスで今も「新作」が作られています。

ところが、この「新作」、私にはなかなか見られません。なぜなら、この「新作」は、NHKの総合テレビじゃなくて、衛星放送で放映されているからです。

そう、うちは衛星放送は見られないのです。

おおよその短編(45分弱)群を放送後は、年末年始に「海外ドラマ」として、1時間半の長編ドラマを2~3本、放送してくれてました。これがとても楽しみでした。

でも、このごろは衛星放送ばかり。NHKの海外ドラマのホームページから、「夜中でもいいから総合テレビで再放送を」と要望を出しましたが、その後の再放送も「衛星放送」。がっかりしてました。

そりゃあ、「ポアロ」の趣味性が強いのはわかります。でも、ネットで調べてみると、「NHKで放送されるのを見て楽しんでいた」という、私と同じような人は結構いるようなんですが。

                 

ウィキペディアで調べてみたら、私が「新作」を見られないでいるうちに、もう14本も放送されたようです。

五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ クリスティー (2003/12)
早川書房
この商品の詳細を見る


その中には、私の特に好きな『五匹の子豚』、『杉の棺』、『ナイルに死す』『ホロー荘の殺人』、『葬儀を終えて』、『満潮に乗って』、『マギンティ夫人は死んだ』、『死との約束』、『オリエント急行殺人事件』などなどがあって、ごちそうを前にしておあずけをくっている犬の気分です。

杉の柩 (クリスティ文庫) 杉の柩 (クリスティ文庫)
アガサ・クリスティー (2004/05/14)
早川書房
この商品の詳細を見る


それでも『五匹の子豚』、『杉の棺』、『ナイルに死す』、『ホロー荘の殺人』の4作は、セットでDVDが発売されているそうなので、調べてみると・・・高い。セブンアンドワイで11,760円、アマゾンでも10,878円。ちょっと手が出ません。せめて1枚ずつ、売ってほしい。

(このセット、「名探偵ポアロ ニュー・シーズン DVDーBOX」という名前のはずなのに、マイショップからリンクを探しても出てきません。アマゾンのページにはあるのに。???)

                 

ホロー荘の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) ホロー荘の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ クリスティー (2003/12)
早川書房
この商品の詳細を見る


この新しいDVDボックスに収録されている『ホロー荘の殺人』は、今から25年ぐらい前に、舞台を日本に移して映画化されました。キャストは、寺尾聡、大竹しのぶ、藤真利子、池上季実子の面々でした。日本版のタイトルは、忘れました。

(ウィキペディアで調べたら、タイトルは『危険な女たち』でした。)

でも、私はこの映画を見ましたから、このキャストは確かです。

危険な女たち 危険な女たち
大竹しのぶ、池上季実子 他 (2005/12/03)
松竹ホームビデオ
この商品の詳細を見る


この中で、一番むずかしいと私が思った役は、大竹しのぶさんが演じたもの。一番盛り上がる終盤のシーンで、彼女が笑うシーンがあります。

この「笑い」、原作を読んだ者にはゾクッとする恐怖感を感じさせます。

原作を読んでいない人も、次の展開によって物語の真相を知ると、後から「あの笑いの意味は・・・」と悟って、やっぱり恐怖感を覚えるはずです。

この「笑い」は、原作にはありません。原作では、「笑い」がなくて、たんたんと情景描写の文だけの方が効果的です。

でも、映画の場合は、この「笑い」が入ったことによって、観客によりリアルに、大竹しのぶ演じる女の心理が伝わってきます。

原作にないシーンを入れることによって、原作の意図をより明確に伝えることができているということです。

それにしても、「笑い」によって恐怖感を感じさせるとは、「大竹しのぶってすごいな~」と思ったことを今も記憶しています。

                 

このように、クリスティの作品は、原作もドラマ化されたものも、謎解きだけじゃない、心理ドラマです。

クリスティの作品の良さをわかる人は世界中にたくさんいるのだけど、日本では少ないんでしょうかね。総合テレビから追放されてしまって、残念です。

誰もがかんたんに、DVDを買えるわけじゃないんですけどね。

                 

クリスティの作品の紹介ページはまだないのですが、本サイトもよろしく。

ランキングに参加しています。できたらクリックお願いします。
FC2ブログランキン<br />グ にほんブログ村 本ブログへ blog-banner1.gif 
ブログ検索 ブログケンサクエンジン





PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。