おもしろい本

読書案内サイト「こども図書館ドットコム」の別館ブログです。 サイトで紹介している本のネタバレコメントを受け付けます。絵本・ファンタジー・ミステリーなどが中心。

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ビブリア古書堂の事件手帖

今日は、本サイト「こども図書館ドットコム」では紹介できない『ビブリア古書堂の事件手帖』について。

私のサイトは、児童書を中心に紹介しているので、このシリーズは、そのコンセプトに合いません。

でも、とてもおもしろいので、こちらで紹介します。

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)
(2013/02/22)
三上 延

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現在、このシリーズの本は、四冊出版されています。

一応、語り手になっている主人公の、狂言回し的存在の五浦大輔くんと、人見知りの激しい、しかし「本」の話になると異常に能弁になるヒロインの篠川栞子さん。

地味で、サスペンス的なドラマには縁遠いと思われがちな「古書」の世界に光を当てて、面白い推理劇に仕立てた作者の眼のつけ所と、力量が素晴らしいと思います。

また、「古書」に関するサスペンスと共に、出会って、巻を重ねるごとに進行してゆく、大輔くんと栞子さんの恋の行方も楽しみです。

(ま、四冊目に入るまでは、大輔くんの一人相撲という印象でしたが。)

作者は三上延さんという方ですが、私はこのシリーズで初めて知りました。

このシリーズの一冊目を読んだ時すぐに、「作者は本当に本が好きなんだろうな」と思いました。

丹念に資料を当たって、推理劇に仕立てたのでしょうか。人物も魅力的だし、ファンになりました。

特に自分の好きな本や、知っている本を取り上げられた時は、嬉しいものです。

個人的には、四冊目で江戸川乱歩の「少年探偵団」のシリーズや、BDバッジや少年探偵手帳を取り上げてくれて、ストーリー展開の大事な要素としてくれたのが、とても面白く、読んでいてわくわくしました。(栞子さんのような深い知識はありませんが。)

読書好きの人たちに受け入れられて、2012年の年間ベストセラー文庫で総合一位、ということも納得です。

ま、論より証拠。

まだ読んでいない読書好きがいたら即座に書店or図書館へどうぞ。

つい先日、終了してしまいましたが、この一月から、ドラマとしても放送されていました。

ドラマの栞子さんはショートカットだし、客と話す時も人見知りという感じではなく、いつも冷静で物静かで本に関しては博識。

大輔くんも、ドラマの方は、背は高いものの、原作からはもうちょっと体育会系の雰囲気を想像していたので、少し、違うイメージでした。

主役級ふたりのイメージが、最初はちょっと違いましたが、見ているうちにだんだんと慣れて、こちらはこれでまた、違う「ビブリア古書堂」でいいんじゃないか、と思いました。

原作では、橋の下に住んでいるはずの、せどり屋の志田さんが栞子さんの家に下宿(居候?)していたり、妹の文香ちゃんが弟の文也くんに変わっていたり。

原作にはない甘味処のオーナーがコミカルないい味を出していて、おもしろかったり。

映像化に当たって、監督以下スタッフのいろいろな工夫があったのでしょう。

まあ、私はもともと、原作と映像化されたものは別物として楽しめるタイプなので。

そして、ドラマで嬉しかったのは、原作では文章だけで想像していた古書たちの実物が見られたことです。

小道具のスタッフはきっと苦労したことでしょうね。

中でも一番嬉しかったのは、先に挙げた、乱歩シリーズの戦前の「少年探偵団」の本の実物や、BDバッジや、少年探偵手帳がTV画面であっても見られたことです。

これらは、以前、雑誌サライの江戸川乱歩特集で、写真が掲載されていて、実物を見たいと思っていたのです。

画面に写った時は、「わあ!!」と一人密かに歓声を上げました。

(「少年探偵団」のシリーズや、BDバッジ・少年探偵手帳については、私のサイトでも紹介ページがありますので、どうぞご覧ください。)

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)
(2013/02/22)
三上 延

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四冊目の著者あとがきによると、このシリーズも「そろそろ後半」だそうです。

完結時には、大輔くんと栞子さんも、読者の納得の行く結末であればいいなあと思っています。

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霧の会議

松本清張作の『霧の会議』。

霧の会議 (松本清張全集)霧の会議 (松本清張全集)
(1995/11)
松本 清張

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タイトルからして硬いお話かな~と思ったのですが、とてもスケールの大きい、大人の恋愛小説、でした。

もちろん、清張さんの作品で、しかも舞台はヨーロッパなので、あの硬質の文章でのヨーロッパの町並みや、自然などの風物の描写が堪能できます。

そして、それ以上にすごいのが、イタリアマフィアや、教皇庁や、ヨーロッパ各国の歴史と、それに絡む銀行業務の黒い部分などについての清張流の解説の数々です。

それだけでは硬すぎて、一般読者には敬遠されますが、ここに、いわゆる不倫関係にある日本人男女が登場し、女性のほうは日本人ながらカトリック信者ということで、しょっぱなから悲劇的な結末の暗示があるかのようで、読者の興味をそそります。

この男女がマフィアの絡むある事件を目撃したことから、恋の逃避行は、本物の、命がけの逃避行に変わり、一部始終を見届けるのが、主人公のローマ在住の日本人記者の八木という男性です。

ちょっと調べてみたところ、この作品は、一時松田優作主演で映画化される話があり、台本までできていたそうですが、幻で終わったということです。

確かにマフィアに対抗して、命を狙われている人間を助ける役回りは、松田優作くらいの強い個性の持ち主がぴったりだったかもしれません。

それにしても、ハッピーエンドではないにしろ、最後の一行で、日本人記者の心情を読者に知らしめて、深い余韻を残すのは、さすが清張さんです。

とても面白いけれど、世界史と美術史と犯罪史とカトリックについての記述がたくさんあるので、その方面にまったく興味がない方には、あまりにもすっ飛ばしたくなる部分が多いか知れません。

逆に言うと、世界史と美術史に興味のある方には、本当にお勧めの読み応えのある推理小説です。

アマゾンに書評がまったくないなんて、もったいない。「なんで誰もコメントしていないのでしょう?」と思いました。私には、とても面白い作品でした。

霧の会議 (松本清張全集)霧の会議 (松本清張全集)
(1995/11)
松本 清張

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