おもしろい本

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『シャーロック・ホームズの思い出(下)』の『曲がった男』の番外編

今日はおまけ、というか、ジェレミー・ブレッド主演のホームズのドラマについての番外編。

『シャーロック・ホームズの思い出(下)』(偕成社版)に収録されている『まがった男』。ジェレミー・ブレット主演のドラマのタイトルは、『曲がった男』。

この『曲がった男』について、このブログで先に紹介したページはこちら
シャーロック=ホームズの思い出 下  シャーロック=ホームズ全集 (8) シャーロック=ホームズの思い出 下 シャーロック=ホームズ全集 (8)
コナン=ドイル (1983/01)
偕成社
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ジェレミー・ブレットのドラマ『曲がった男』に、明らかに“Yes”という意思表示なのに、男が首を横に振るシーンがあります。(セリフはなし。)

原作では、このシーンに当たるところに、“Yes”という意味のセリフがあります。

私はこのシーンを見て、「はて、イギリスでは“Yes”のときに、首を横に振るんだったかな?今まで見たイギリスのドラマや映画に、そんなシーンは無かったように思うけど・・・」と、不思議に思ってました。

私だけでなく、日本人なら誰でも「ん?」と思うところでしょう。

その謎が、昨日読んだ本で解けました。

団塊諸君一人旅はいいぞ! 団塊諸君一人旅はいいぞ!
森 哲志 (2007/03)
朝日新聞社出版局
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その本は、『団塊諸君 一人旅はいいぞ!』 。元新聞記者の森 哲志という方が、定年後に韓国からイスラエルまで旅をした記録の本ですが、この中にインドの章がありました。

そのインドの章に、肯定の意思表示のときに、インドの人たちは首を横に振る、という主旨の文章がありました。

それを読んで、『曲がった男』を反射的に思い出し、「そうだったのか」と納得しました。“Yes”のときに首を横に振るのは、イギリス人ではなくて、インド人。

ドラマで首を横に振っていたのは、イギリス人ですが、長年インドで暮らした、という設定の男。ドラマ制作スタッフが、細かいところまで注意して制作したのだとわかりました。

シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.3シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.3
(2004/12/21)
ジェレミー・ブレット、デビッド・バーク 他

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「シャーロック・ホームズ全集」と作者についてのページ
『シャーロック・ホームズの思い出(下)』の説明ページもどうぞ、ご覧ください。

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『シャーロック・ホームズの思い出(下)』 最後の事件 シャーロック・ホームズ全集8

ここのところ、もろもろの事情で、ずっと更新できませんでした。それでも毎日ブログを訪問してくださった方たちがいらして、とても嬉しく思っています。

今後の更新は多分、のんびりペースになると思いますが、これからもよろしくお願いします。

さて、今日は『シャーロック・ホームズの思い出(下)』(偕成社版)の収録作品の残り、『最後の事件』についてです。今回のみ、記事中で結末に言及していますので、未読の方はご注意下さい。

今日、初めてこのブログにお越しいただいた方のために、偕成社版の『シャーロック・ホームズ全集』の説明を。(2度目以降の方は、適当にとばして下さい。)

                 

私のサイト「こども図書館ドットコム」では、「シャーロック・ホームズ全集」(偕成社版)を紹介しています。

この偕成社版は、一般向けの文章を子どもに読みやすいように、平易な文章にしたシリーズです。中学生以上の方なら、一般向けの本の方をお勧めします。

『シャーロック・ホームズの思い出(下)』は、偕成社版の「シャーロック・ホームズ全集」の8冊目です。ホームズシリーズの2番目の短編集です。

『シャーロック・ホームズの思い出』には、11編が収録されていますが、この偕成社版は、子ども向けなので、ページ数の関係か、上下巻に分冊されています。

シャーロック=ホームズの思い出 下  シャーロック=ホームズ全集 (8) シャーロック=ホームズの思い出 下 シャーロック=ホームズ全集 (8)
コナン=ドイル (1983/01)
偕成社
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この本の表紙画像は、出版社の許可をいただいて、私の本サイトの『シャーロック・ホームズの思い出(下)』の説明ページに掲載しています。

                 

『最後の事件』は、「ある事件」の2年後に、ジェームズ・モリアティ大佐が亡くなった弟を弁護するために、事実を歪曲した公開状を発表したので、やむをえず、ワトスンが真相を発表せざるを得なくなった、という書き出しで始まっています。

「ある事件」とは、もちろんホームズの失踪事件。『緋色の研究』から、短編の前の『海軍条約』までを読み続けてきた読者には、いきなり「モリアティ教授」なる人物が登場してホームズの生死にもかかわる、という設定が唐突に感じられると思います。少なくとも、私はそうでした。

以前にも「ホームズ殺害」をたくらんだ(!)作者ドイルが遂に「失踪」という形で実行を図ってしまった訳ですが、その舞台として一応、スイスのライヘンバッハの滝というドラマチックな場所を用意しています。

それなりに、ホームズに気を遣った(?)といえるかも知れません。
ですから、この『最後の事件』は、トリックがどうこうという作品ではなく、ワトスンが語る「ホームズの最後」であり、事後処理といった趣きの短編です。

しかし、この作品が発表されると、ドイルは世界中のホームズファンから激しく非難されて、ホームズのために喪章を付けて歩く人まで出現します。

以前、このブログでも紹介した創元推理文庫の『まだらの紐』に収録されている『シャーロック・ホームズの真相』にドイルがホームズ物語のプロットを考えるのにうんざりしたし、自分ではホームズものよりも歴史小説の方が価値があると思っているから、『最後の事件』でホームズものを止める決断をした、という主旨の文章があります。

そして世界中から受け取った非難の手紙の中には、「このけだもの」という言葉で始まったものもあったとか。非難の大きさには、ドイルも驚いたそうです。

作者のドイルが思うよりも、ホームズ作品は世界中の読者に深く愛されていたのです。

この『シャーロック・ホームズの真相』は、1900年(明治33年)にイギリスの雑誌『ティット・ビッツ』の12月15日号に掲載されたものだそうです。(ちょっと調べてみましたが、『ティット・ビッツ』誌は、「雑誌」と書いているサイトと、「情報誌」と書いているサイトがあります。)

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『最後の事件』が書かれたのは、1893年(明治26年)。その7年後に『最後の事件』を書いた理由をドイルが『シャーロック・ホームズの真相』として発表したわけです。この文章の中でドイルは『最後の事件』を書いたことを「後悔していない」と書いています。

しかし、もろもろの事情からこの一文を発表した翌年の1901年に、「以前のホームズ生存中の事件」として、長編の『バスカビル家の犬』を、そして1903年には本格的に『空家の冒険』で、ホームズファンには嬉しい「復活」が描かれます。

偕成社版の『シャーロック・ホームズの思い出』の後書きは、上下巻とも「贋作ホームズ物語」と題されてホームズ物語のさまざまな贋作・パロディ作品の紹介となっています。

下巻のあとがきには、ホームズ作品以外の贋作や、ホームズの伝記『シャーロック・ホームズ -ガス燈に浮かぶその生涯』の紹介もあります。

この『シャーロック・ホームズ -ガス燈に浮かぶその生涯』は、私はまだ読んでいませんが、このあとがきを読んだ限りではとてもおもしろそうです。

ホームズ作品だけでなく、贋作やパロディ作品も参考にして、伝記として書き上げたということで、ホームズが生まれたのは、「イングランドのヨークシャーのマイクロフト農場」だそうです。

シャーロック・ホームズ―ガス燈に浮かぶその生涯 (河出文庫) シャーロック・ホームズ―ガス燈に浮かぶその生涯 (河出文庫)
小林 司、W・S・ベアリング=グールド 他 (1987/06)
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ジェレミー・ブレット主演のドラマでは、『最後の事件』と『空き家の怪事件』がカップリングされています。これは賢明な組み合わせです。

たとえ後で復活するのがわかっていても、ホームズがライヘンバッハの滝へ消えてゆく、というシーンの映像は、ファンには辛いものがあります。

それで、ついつい私は「消えたまま」にしておくのが辛くて、すぐに『空き家の怪事件』も続けて見てしまいます。復活するのがわかっていても辛い気持ちがあるのだから「死んだまま」にされた当時のファンの気持ちは、想像できます。

喪章を付けて歩くのも、理解できないこともありません。私は密かに、「復活するのがわかっている時代にホームズものを読めて良かった」と思っているほどです。

そして、この二つのドラマではワトスン役に変更があります。『最後の事件』まではワトスン役がデビット・バークで、『空き家の怪事件』からはエドワード・ハードウィックになります。

デビット・バークが降りたのは、スケジュールの都合によるもののようです。彼の演じるワトスンは、明るくて人が良く、元気も良く、一方、エドワード・ハードウィックの演じるワトスンは、温厚で優しいイメージです。

二人のワトスンを続けて見ると、違和感がある人もいるでしょう。でもこれは仕方ありません。逆に個性の違う二人のワトスンを見比べる、くらいの気持ちで見たほうが楽しめると思います。

見る人によって好みが分かれると思いますが、私は優しいエドワード・ハードウィックのワトスンの方が好きです。

ドラマ『最後の事件』はおおむね原作に沿った映像化がされていますが、原作ではさらっとしか触れられていない「フランス共和国」の事件を、「モナリザの盗難事件」としてわかり易く表現し、モリアティ教授の恨み(?)が説得力を増すように描かれています。

その前にドラマの方では、『赤髪連盟』に無理やりモリアティ教授を登場させて『最後の事件』への誘導(?)を試みてはいますが。

以前にも書いたことですが、『赤髪連盟』に無理やりモリアティ教授を登場させるよりは、もともと、モリアティ教授の登場する長編の『恐怖の谷』を映像化して、モリアティ教授の凄みを出した方が説得力があったのではと思います。

しかし、いろいろ都合でそうも行かなかったのでしょうけれど。

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このドラマ『最後の事件』の中で、ホームズの手の怪我をワトスンが手当てしている最中に、ホームズが「いたっ!」と言い、ワトスンが「ごめん」と返すシーンがあります。人間くさい感じがして、私の気に入っているシーンです。

あと、ライヘンバッハの滝が、やはり迫力があって、ホームズとモリアティ教授の対決、という緊迫した場面の背景にふさわしいと思いました。

                 

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『シャーロック・ホームズの思い出(下)』の説明ページもどうぞ、ご覧ください。

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