最近、本を整理していて、ウィリアム・アイリッシュの短編集が出てきました。
これを買ったのは、本の奥付けからたぶん、15年くらい前のことです。
実は、先日亡くなった栗本薫さんの、私の100冊近くに及ぶ長年の愛読書「グイン・サーガ」を懐かしく見直して、奥の方にアイリッシュの短編集が鎮座しているのを見つけ、これまた懐かしくなって、手にとりました。
私はひところ、ヒッチコックの映画に凝ったことがあって、アイリッシュがかの有名な『裏窓』の原作者だ、くらいのことは知っていて、読みたくなって、気に入って短編集を全部購入したものdす。
でも、ずーっと、忘れていました。
ひとつひとつの短編のストーリーも忘れていたので(もちろん、『裏窓』はしっかりわかってますが)、新鮮な気持ちで楽しめました。
そにかく、彼の作品は、その場の状況や、登場人物の感情の動きの描写が、群を抜いています。
ある抜き差しならない状況に落ち込んだ人物が、必死で取り始める行動を、息をもつかせぬような、圧倒的な筆力で描いて、一旦読み始めたら、途中で止められません。
その以外な結末がまた、深い余韻を残します。
ハッピーエンドと言えるものもあるし、読み終わった後の犠牲者の運命に戦慄するものもあるし、少数ながら、ユーモアあふれるものや、サスペンスというより、本格推理と言って良いものもあります。
これから読む方のために、詳しくは言いませんが、たとえば、短編集5の『わたしが死んだ夜』に収録された『妻が消える日』は、どこの夫婦にも起こりそうな、平凡なけんかが発端となって、読み応えのある犯罪事件へと発展してゆきます。
短編集2の『死の第三ラウンド』に収録された『チャーリーは今夜もいない』は、主人公の父親としての気持ちと、職務に忠実であろうとする気持ちの板ばさみと、事件の発展が絡みます。
短編集3の『裏窓』に収録された『ただならぬ部屋』は、サスペンスというより、本格推理と言ってよいような一編になっています。部屋の見取り図なんかもあったりして。
短編集4の『シルエット』に収録された『パリの一夜』は、珍しいユーモアあふれる楽しい一編です。
ドラマ『Q.E.D.証明終了』に「サスペンスの女王」という異名の女優さんが登場しましたが、ウィリアム・アイリッシュは間違いなく、「サスペンスの王様」です。
1940年代という、日本では昭和15年以降に当たる時代に活躍した彼の作品は、21世紀の今読んでも、古さは全くありません。
まだ彼の作品を読んだことのないミステリーファンには、絶対、お勧めです。
但し、短編集1の『晩餐後の物語』に収録された『ヨシワラ殺人事件』は・・・なんだか明治の頃みたい。昭和の設定なのに、切腹だの「夕霧さん」という名前とか。明治というより、江戸時代末期?。これだけは、???でした。
でも、他は絶対、お勧めです。
私の読書案内サイト「こども図書館ドットコム」もどうぞ。この本の説明ページはがありませんが。
手づくりや季節の写真は、つれづれ日記で紹介しています。
ランキングに参加しています。できたらクリックお願いします。
ブログケンサクエンジン
これを買ったのは、本の奥付けからたぶん、15年くらい前のことです。
実は、先日亡くなった栗本薫さんの、私の100冊近くに及ぶ長年の愛読書「グイン・サーガ」を懐かしく見直して、奥の方にアイリッシュの短編集が鎮座しているのを見つけ、これまた懐かしくなって、手にとりました。
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私はひところ、ヒッチコックの映画に凝ったことがあって、アイリッシュがかの有名な『裏窓』の原作者だ、くらいのことは知っていて、読みたくなって、気に入って短編集を全部購入したものdす。
でも、ずーっと、忘れていました。
ひとつひとつの短編のストーリーも忘れていたので(もちろん、『裏窓』はしっかりわかってますが)、新鮮な気持ちで楽しめました。
そにかく、彼の作品は、その場の状況や、登場人物の感情の動きの描写が、群を抜いています。
ある抜き差しならない状況に落ち込んだ人物が、必死で取り始める行動を、息をもつかせぬような、圧倒的な筆力で描いて、一旦読み始めたら、途中で止められません。
その以外な結末がまた、深い余韻を残します。
ハッピーエンドと言えるものもあるし、読み終わった後の犠牲者の運命に戦慄するものもあるし、少数ながら、ユーモアあふれるものや、サスペンスというより、本格推理と言って良いものもあります。
これから読む方のために、詳しくは言いませんが、たとえば、短編集5の『わたしが死んだ夜』に収録された『妻が消える日』は、どこの夫婦にも起こりそうな、平凡なけんかが発端となって、読み応えのある犯罪事件へと発展してゆきます。
短編集2の『死の第三ラウンド』に収録された『チャーリーは今夜もいない』は、主人公の父親としての気持ちと、職務に忠実であろうとする気持ちの板ばさみと、事件の発展が絡みます。
短編集3の『裏窓』に収録された『ただならぬ部屋』は、サスペンスというより、本格推理と言ってよいような一編になっています。部屋の見取り図なんかもあったりして。
短編集4の『シルエット』に収録された『パリの一夜』は、珍しいユーモアあふれる楽しい一編です。
ドラマ『Q.E.D.証明終了』に「サスペンスの女王」という異名の女優さんが登場しましたが、ウィリアム・アイリッシュは間違いなく、「サスペンスの王様」です。
1940年代という、日本では昭和15年以降に当たる時代に活躍した彼の作品は、21世紀の今読んでも、古さは全くありません。
まだ彼の作品を読んだことのないミステリーファンには、絶対、お勧めです。
但し、短編集1の『晩餐後の物語』に収録された『ヨシワラ殺人事件』は・・・なんだか明治の頃みたい。昭和の設定なのに、切腹だの「夕霧さん」という名前とか。明治というより、江戸時代末期?。これだけは、???でした。
でも、他は絶対、お勧めです。
私の読書案内サイト「こども図書館ドットコム」もどうぞ。この本の説明ページはがありませんが。
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