おもしろい本

読書案内サイト「こども図書館ドットコム」の別館ブログです。 サイトで紹介している本のネタバレコメントを受け付けます。絵本・ファンタジー・ミステリーなどが中心。

JINー仁

先月、家族を亡くし、その絡みでしばらく記事立てできませんでした。

やはり家族を亡くすということは、すべてに渡ってとても重いものです。

命についても今までよりももっと痛切に感じるものがあり、そういう気持ちのときに見たテレビドラマが『JINー仁』です。

JIN―仁 (第1巻) (ジャンプ・コミックスデラックス)JIN―仁 (第1巻) (ジャンプ・コミックスデラックス)
(2001/04)
村上 もとか酒井 シヅ

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この原作者は、ビッグコミックオリジナルに『龍ーRON』を連載していた村上もとかさんで、『JINー仁』と連載時期がバッティングしていたようです。

以前、NHKラジオの番組で、この『JINー仁』のことを話題にしていて、現代の脳外科医が江戸時代にタイムスリップするという話で、タイムトラベルものが大好きな私には、とてもおもしろそうなのでぜひ読みたいと思ってはいました。

その後、調べてみたら原作が10冊以上もあり、一気に読みたい癖のある私なので、全冊を購入するのはちょっとしんどいと思って、ちゅうちょしていたところに、テレビドラマ化。

時期が家族の死と重なってしまったので、複雑な気持ちではいましたが、見て良かったドラマでした。

とにかく、恐ろしい事件が頻発するこの現在の日本。

本当は、事件数そのものは増えてはいなくて、マスコミの報道の大きさ、多さで増えているように思わされているようですが、それでも目を覆いたくなるような事件が起きていることは確かです。

その中にあって、命の大切さを訴えているこのドラマが、私はとても気に入りました。

現在は6回目の放送が終わったところです。

主演の大沢たかおさんを始めとする俳優陣の演技もいいし、江戸時代という設定とは言え、敬語が新鮮です。

私は、いわゆるタメぐちとやらが嫌いなので、やはり相手の立場や気持ちを尊重する言葉の使い方を聞くのは気持ちがいいものです。

もちろん、「馬鹿丁寧」な言葉は逆に人をばかにしている場合もありますが。

それはともかく、最終回で、タイムスリップした医師の仁がどうなるのか、また物語全体の締めは、どうなるのか、とても楽しみです。

テレビの『JINー仁』のサイトはこちら。興味のある方はどうぞ。

JIN―仁 (第1巻) (ジャンプ・コミックスデラックス)JIN―仁 (第1巻) (ジャンプ・コミックスデラックス)
(2001/04)
村上 もとか酒井 シヅ

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警視庁捜査一課刑事

「警視庁捜査一課刑事」。

インパクトのあるタイトルに惹かれて、手に取りました。厚さが3センチくらいもある本ですが、内容が面白いので一気に読めました。

警視庁捜査一課刑事警視庁捜査一課刑事
(2008/11/20)
飯田 裕久

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著者は、元・警視庁捜査一課刑事。

警視総監賞を18回も受けた、優秀な刑事でしたが、この本のラストに書かれている理由から平成19年に退職をして、現在は刑事ドラマなどの監修をされている方です。

この本には、工業高校の生徒だった著者がどのようにして警察官になったかから始まって、退職するまでの25年間の警察官・刑事としての仕事や、警察の組織やその価値観などについて述べられています。

仕事のことが主ですが、プライベートなことも少し述べられています。

職歴や、その仕事内容のハードさや、この本の記述から考えると、警察に勤めていた間には、著者が文章を書いているような時間はなかったろうと推察できますが、この本は、とても文章に縁遠かった人が書いたとは、思われません。

会話が適宜挟まれているので臨場感があるし、ひとつひとつの文がわりあい短めで、テンポよく読み進められます。

なにより、事実の羅列ではなく、著者の感情も書き込まれていて、読者の共感を得られる本です。

警察の価値観や、捜査員の仕事ぶりなどが描かれていますが、よくあるような暴露本ではなくて、正義感を持って警察官を志した著者の記述は興味深く、一読の価値があるものと思います。

警視庁捜査一課刑事警視庁捜査一課刑事
(2008/11/20)
飯田 裕久

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表紙には、一般の人には見慣れない、赤いバッジの写真が使われています。

これが、警察関係者には「水戸黄門の印籠」のような効き目(?)を発揮する「警視庁捜査一課」の刑事だけが付けることのできる「S1S」バッジ。

この表紙が、この本の内容を象徴しています。

ニュースや新聞紙上で、よくお目にかかる「捜査一課の特捜本部」。この組織が、実際にはどういうものなのか、一般人にはわかりません。

この本を読み進むにつれて、だんだんとその世界(?)が眼前に現れます。

著者が担当した有名な事件は、「トリカブト事件」「地下鉄サリン事件」「お受験殺人事件」など。

事件そのものは他にも新聞や週刊誌や本などで詳細が報告されているでしょうし、この本では詳しいことは省かれていますが、著者自身がタッチしたことのみ語られれています。それでも、興味深いものです。

小樽出身の女性教師が殺されて、犯人が時効後に自供した事件で、遺族の調書を作るため、北海道に飛んだのも、著者でした。

かねがね、私は、殺人事件のような凶悪な犯罪に時効があることに不満を持っていましたが、捜査に当たる人でさえも、『残された遺族の心の傷と悲しみには、時効など関係ない』とはっきり述べていることに、なにがしか、安堵感をおぼえました。

この事件の遺族の調書も、新聞に抜粋が載っていて読みましたが、この本にはそれよりも詳しく載っていて、改めて遺族の深い悲しみを感じ、時効になったからという理由で罰っせられない犯人に怒りをおぼえました。

そのほか、刑事の仕事のあまりの過酷さにも改めて驚きました。

きっとものすごく忙しいのだろうと想像はしていましたが、たとえ休みであってもいつ呼び出しがあるかわからないので遠出ができず、事件番(次に事件を担当する係り)であればトイレや風呂にも携帯電話を持ち込み、酒は一切飲めないそうで、これでは「休み」というのは名目だけ。

年に数回だけ呼び出しのない休みがある、というハードさです。

ひとたび事件が起これば、最低ひと月は家に帰れません。

もともと丈夫な人が勤めているはず、と思っても、これでは働き盛りで病気に倒れる人が出るのも、無理ありません。

もう少し人員を増やすなり、待遇を良くするべきではないか、と思ったりしました。

この本を読む前と、読んだ後では、「警視庁捜査一課」という言葉を聞いたときの感じ方が変わります。

また、私の住んでいる北海道の新聞では報道されなかった事件の捜査も、印象的でした。

著者のひらめきと、勘などいろいろなものが総合されて犯人に迫ってゆくその過程は、松本清張の推理小説のようでした。このように優秀で、人間味のある刑事さんが退職したことは残念に思いますが、ご本人の希望なので仕方ありません。

著者は現在、刑事ドラマの監修をされているそうですが、他の推理作家の方とは一味違う、臨場感のある推理小説が書けるのではないかと思ったりしました。

多くの殺人事件に関わった関係上、人間の死や生き方について深く考えていらっしゃるところも、私は共感しました。推理小説やドラマの好きな方には、特に読んでいただきたい本だし、警察官や刑事を志している方なら必読本だと思います。

それにしても、「警視庁捜査一課」では、事件の合間に神棚を拝んでいるとは、夢にも思いませんでした・・・。

警視庁捜査一課刑事警視庁捜査一課刑事
(2008/11/20)
飯田 裕久

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日本人の知らない日本語

何気なく手に取った『日本人の知らない日本語』。

日本人の知らない日本語日本人の知らない日本語
(2009/02/18)
蛇蔵&海野凪子

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大当たりでした。

日本語学校での外国人生徒たちの言動をマンガで描いているんですが、とても面白くて読みやすい。

マンガは、4ページで一話のものと、四こまのものと、あとひとこま(というのかな?)のもの。「日本語こぼれ話」という日本語についての1ページのエッセイもあります。

表紙には、「なるほど〜×爆笑!の日本語“再発見”コミックエッセイ」という文字が。

このコピーが、的確に内容を表現しています。さすが。

この本は、外国人の習慣や価値観を、かわいい絵柄でダイレクトに伝えてくれて、日本語の知られざる過去(?)を語る薀蓄の場面も読みやすいのです。

もちろん、生徒たちのエピソードがとても面白いものなんですが、それをコミックという形にしたので、より親しみやすくなっています。

生徒たちの表情のひとつひとつが心に残るし、どのお話もついつい笑ってしまいます。

楽しい読後感の上に、日本人にとっても日本語の勉強になる本です。


ちょっと例を挙げると、たとえば「変体がな」。
これの由来を始めて知りました。

この本を読むまでは、「なんでこれでうなぎって読むんだろ」って思っていた、あの「変体がな」。やっとわかりました。

それに、昔の教科書がカタカナで始まっていたのは両親から聞いて知っていた(確か、「ハナ・ハト・マメ・マス」だったような・・・。不確かな記憶です)けれど、その理由はまったく知りませんでした。その謎もこの本で解けました。

それにしても外国人が、カタカナが苦手って、知りませんでした。

発音はひとつだし、字形も単純だから、楽に覚えられるだろうと思ってました。でも、これが単語になってしまうと、わかりにくいんですね。

敬語は、これは日本人だって迷うことが多いんだから、たぶん大変だろうと思ってましたが、更に、バイト敬語という伏兵が。

このバイト敬語を扱ったマンガには、とんでもない落ちがあって、何回読んでも笑ってしまいます。


そうそう、アメリカや中国やフランスでは、答案の間違っているところに○で、正解にチェックマークということを初めて知りました。これは意外。日本の常識は、外国では正反対になることもあるんですね。

もし、日本人がアメリカに行って、答案にチェックマークがいっぱい付いていたら、やっぱり「間違いがいっぱいだ・・・」と思ってしまうでしょう。それと逆のことが日本語学校では起きているんですね。

○のいっぱい付いた答案を見て泣くなんて、本人には悪いけど、やっぱり笑ってしまいます。

そのほか、思わず吹き出すエピソードがいっぱいですが、スウェーデンでは、日本は「武士のいる野蛮な国」と思われているそうで、これはがっかり。

スウェーデンの人は新聞読まないのかしらん、と一瞬思いました。

サミットに日本はいつも参加してるでしょうに・・・と思ったけれど、よく考えてみたら、スウェーデンはサミットに参加してないから、たぶん新聞でもあまり取り上げないんでしょうね。

それにしても、世界で一番安全と言われている日本なのに、刀を持っていきなり切りかかってくる人間(武士はそういうものと思われているようです)がうようよいる・・・と思われているのはあんまりでしょう。

今じゃ日本のアニメは世界的に有名でしょうに。
機械製品だって、しかり。

でも、スウェーデンには、日本製品はあまり入っていないんでしょうね、きっと。

入っていたら、野蛮な国で緻密な機械製品が作れるわけないと、思ってくれるんじゃないでしょうか。

ちなみに私は、スウェーデンの児童文学作家リンドグレーンの作品が好きで親しみを持っているんですが。

ともかく、とても面白い本なので、読み終えてから、続編が出ないかなあと思いました。

原案の海野凪子さんのブログを見たら、この秋に、続編が出る予定だそうで、とても楽しみです。

絵の蛇蔵さん(若い女性のようです)のブログはこちら

日本人の知らない日本語日本人の知らない日本語
(2009/02/18)
蛇蔵&海野凪子

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